医療や介護サービスは、個人情報保護の観点から、密室且つ閉鎖的な環境で提供される事が多いのが現状です。よって、大切な家族や大切な方に対して、どんな環境で、どんな人が、どんな事をするのか、これらはサービスを受ける時になって初めて分かる事も多く、サービスを受ける前は想像しづらいのが現状です。

実は、私も身体的・精神的に弱っていた過去があり、孤独を感じて心細さから鬱々となり病院を受診したにも関わらず、自分の希望や悩みを全て言えずに病院から帰ってきた事がありました。自ら病院に通える人なら自分に合う病院を探せると思いますが、誰しもいつかは自らの足で病院に通えなくなります。途端に「どこの病院が家まで診察に来てくれるんだろう？そもそも自宅でどんな医療行為をしてくれるんだろう？ネットで調べてもよく分からないし、どこに相談したらいいかもよく分からない。とりあえず役所に連絡してみよう」となるのが一般的です。

こういった事は他人事ではなく、誰にでも突然やってきます。気付いたら時間も選択肢も無くなっており、いつの間にか流れ作業的に受ける医療や介護サービスが決まり、大切な家族の老後人生は「よく分からないから」という一言で介護事業者に委ねてしまい、委ねられた介護事業者も「介護が専門なので医療は分からない。知っていても主治医がどのような先生かまで分からない」等の現状が多々あります。

一方、医療機関側も患者さんや介護事業者に対して「どんな方でも診れますよ」と自院の売込みを行うものの「いざ任せてみたら希望通りにならなかった」というミスマッチに振り回される介護事業者の方々を目の当たりにしてきました。いざという時、公平な立場で、患者さんの希望や意向に沿った医療機関を提案する事はとても重要なこと。
「その方々の選択肢を増やす事が、最後までその方々の尊厳を守る事にも繋がり、自分達らしく前向き且つ穏やかな生活へと繋がるはず」という想いから、創業を決意致しました。

代表取締役宮内 裕司